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アマダ、大型ベンディングマシンの東洋工機と資本提携

 アマダ( http://www.amada.co.jp )は、大型ベンディングマシンの製造・販売で実績をもつ東洋工機と資本提携することで合意した。これにより、東洋工機はアマダのグループ会社となる。アマダが取得する株式は東洋工機の発行済株式総数の90%で、総額約9億円。9月中に全体の53%、11月中に残りを取得予定。

 今回の資本提携により、アマダはベンディング商品に大型機のシリーズが加わり、小型から大型まで、薄板から中厚板加工まで一貫した商品構成が構築でき、市場が必要とする全加工工程(ブランク-曲げ-溶接)に対応するトータル商品ラインナップが整うことになる。

 東洋工機とそのブランドおよび販路、アフターサービスはそのまま継続される。今後両社は得意分野に特化し、それぞれの分野で今まで以上に競争力を向上させ、世界市場での競争に打ち勝つ基盤を整える。東洋工機は近年エコマシンの開発に注力しており、得意技術と機種、市場を引き続き営業展開して行く。

 板金機械市場の環境は景気激変により世界市場は半減している。為替の影響もあり、日本メーカーにとって最大の競合である欧州が優位に立つ中、板金の中心機種であるベンディング商品の強化を図ることが目的。

 一方、顧客にとっては大型のベンディングマシンを含め、アマダネットワークシステム内で運用することができるようになり、究極の多品種少量、変種変量生産の自動化が実現し、付加価値の高い効率的な板金加工が可能となる。

 東洋工機は1956年の創業で、現在の資本金は1億円。NCプレスブレーキ(ベンディングマシン)、シャーリングなどの板金加工機械を生産・販売しており、国内のほか北米、アジア、ニュージーランドなどに輸出している。社員数は94名で、年商は2009年3月期が39億円。今期26億円の売上を見込む。

 主力製品はベンディングマシンで、加圧能力6tから600tまで、曲げ長さで最長6mと、小型から大型まで幅広く手がける。このベンディング部門が売上の8割を占め、とくに250トン以上の大型機に強みをもつ。これに対しアマダは50tから220t、曲げ長さで4mまでの、中・小型機が主力となっている。

 アマダと東洋工機は国内では競合関係にあるものの、アマダは1998年からボールネジ駆動のサーボベンダーを製造委託、加圧能力6tから36tまでのサーボベンダーを年間100台強のOEM供給を受けており、今回の提携で更に関係が強化される。

 今回の資本提携は現在の経済情勢に加えて、これまでのこうした友好関係が背景にあり、また東洋工機側には後継者問題と専業メーカーとしての生き残りをかけた戦略が背景にあり成立したもの。