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ジェイテクト、4WD車用電子制御カップリングを開発

itcc ジェイテクト( http://www.jtekt.co.jp )は、このたび、高級クロスオーバーSUV車向けに高い走破性を実現する4WD車用電子制御カップリング(ITCC)を開発し、本年1月から量産を開始した。

 前輪駆動ベースの4WD車両ではCO2削減につながる燃費向上の取組みとして、主にトランスファからリヤホイールまでの4WDドライブラインの軽量化に向けて、ITCCを搭載した4WDシステムが拡大しており、同社では現在、世界15社、66車種に供給している。

 ITCCは、4WD車のリヤディファレンシャル部に搭載し、電子制御によって前後輪の駆動力を前輪100:後輪0の前輪駆動から前輪50:後輪50まで連続的に可変することで、前輪駆動の高い燃費効率と滑りやすい路面での発進、加速性等の4WD性能を両立し、ABS等のブレーキ制御との協調性にも優れる。今回の開発品は、大型車においても滑りやすい路面での過酷な使用で十分に性能を発揮できるよう、従来品より耐久性を向上し、十分な負荷能力を確保したもの。

※ ITCC…Intelligent Torque Controlled Coupling。ジェイテクトの登録商標。

 開発品の概要は以下のとおり。

 ITCCは、電磁クラッチ部のパイロットクラッチで発生したトルクをカム機構を通じて大きな軸力に変換し、メインクラッチを押し付けることで後輪に大きな駆動力を伝達する。今回の開発品では、オイル、クラッチの耐久性を向上し、大型車の過酷な使われ方にも耐えるようにした。

(1)ITCC専用高性能オイルの開発
・合成系基油の採用によるクラッチ摩耗の抑制と温度安定性を確保
・添加剤の最適配合

(2)パイロットクラッチ表面へのDLC-Siコーティング化(耐久性は、未実施品の8倍)

(3)クラッチ枚数の増加(従来の7枚から12枚に)

 開発品の特徴は以下のとおり。

(1)4WDドライブラインを15%軽量化

(2)負荷能力2.1倍向上(同社従来製品比)