日本精工(NSK、 http://www.jp.nsk.com )は、従来に比べて、30~45%摩擦損失を低減した「ハイブリッドカー専用低トルク玉軸受」を開発した。同社では、燃費性能の高さや環境意識の高まりから需要が伸びているハイブリッドカー向けの本製品の拡販を図り、2013年に売上30億円以上を目指す。
近年、エンジンとモータを効率良く組み合わせることで低燃費と低排出を実現したハイブリッドカーは、急速に需要が高まっている。新世代ハイブリッドカーの変速機(駆動部)に使われる軸受には、さらなる燃費改善のため、損失トルク低減(低トルク化)のニーズが高まっている。
NSKでは、ハイブリッドカーの燃費改善に大きく貢献する「ハイブリッドカー専用低トルク玉軸受」を開発した。本軸受は、摩擦損失を 30~45%程度低減することで、燃費効率改善に大きく貢献するもの。NSKでは本製品をトヨタ自動車の新型「プリウス」への搭載を皮切りに、今後国内外の自動車メーカーのハイブリッドカーへの拡販を図る。
製品の特徴は以下のとおり。
内部設計の最適化
解析技術を駆使することで、玉数を大幅に減らし、玉径・溝寸法・すきまを最適化し、転がり摩擦の損失を低減させた。製造面においても、工法を工夫することで、従来難しいとされていた玉数を大幅に減らすことに成功した。
低トルク保持器採用
特殊形状の樹脂製保持器を採用することで、回転中の潤滑油の撹拌による損失を大幅に減少させた。