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NEDO、次世代の自動車用蓄電技術開発の委託先決定

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO、 https://app3.infoc.nedo.go.jp )は、自動車用高性能蓄電システムの次世代技術開発について、東北大、東大、ダイキン工業、日本触媒など10件に委託することを決定した。

 今回の採択により、次世代技術開発は2007年度の事業開始以来総計30テーマとなり、蓄電池の主要部材について盤石な研究開発体制で望むこととなる。本年度から実施する「革新型蓄電池先端科学基礎研究事業」との連携も視野に入れ、蓄電池の革新的な性能向上・低コスト化・安全性向上を目指し、産業界に貢献し、世界をリードする研究開発成果を発信していく。

 NEDOはプラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車等の次世代クリーンエネルギー自動車の実用化に向けて、「次世代自動車用高性能蓄電システム技術開発」(Li-EADプロジェクト)を実施している。この中でも、次世代の蓄電池に要求されるコスト、寿命、安全性、エネルギー密度、出力密度等の圧倒的な性能向上のためには、現状の技術レベルの延長線上にある技術開発だけでなく、新たな電池系の提案や構成材料レベルでのブレークスルーが期待できる新しい原理・構造の技術開発が不可欠。

そこで「次世代自動車用高性能蓄電システム技術開発/次世代技術開発」においては現状レベルでのコストや性能向上の見通しを打破するような新規の正極、負極材料や電解質等、材料レベルの革新的な技術開発、電池及び電池構成材料の解析・評価技術などの開発を実施する。

2030年頃を目安に、パック電池レベルで重量エネルギー密度700Wh/kg以上という革新的な性能を実現することを目指し、本事業の終了時点で、重量エネルギー密度500Wh/kgを見通せる電池構成材料、電池反応制御技術及び解析・評価技術等の開発を行う。

契約期間は2009年度から2010年度までの2年間、契約額は1件あたり年2000万円以下を予定している。

 なお、本年度から実施する「革新型蓄電池先端科学基礎研究事業」においては、電池の基礎的な反応メカニズムを解明することによって、既存の蓄電池の更なる安全性等の信頼性向上、並びにガソリン車並の走行性能を有する本格的電気自動車用の蓄電池(革新型蓄電池)の実現に向けた基礎技術の確立を目指している。

 委託先、件名は以下のとおり。

東京理科大学、産業技術総合研究所「高圧合成法による次世代高容量正極材料酸化物の材料設計」

ダイキン工業、関西大学「含フッ素溶媒による高電圧駆動電解液の研究開発」

関西大学、いわき明星大学「銅含有酸化物を用いた高容量正極材料の研究開発」

東北大学「実験融合マルチレベルコンビナトリアル計算化学にもとづく次世代電池技術開発支援シミュレータの開発と応用」、「リチウムイオン2次電池の過剰な負荷条件下における電極界面の原子・分子レベル解析技術開発」

名古屋工業大学「高容量化を目指した多価反応可能な自己組織生成リチウム電池
正極材料の研究開発」

東京大学「4d遷移金属コンバージョン系による高容量正極材料の研究開発」


日本触媒「高耐電圧性電解質の設計とその利用による高エネルギー密度を実現可能な電池構成の構築に関する研究開発」

東京工業大学「ナノ構造・ナノ複合体粒子製造技術を用いたマグネシウム二次電
池正極活物質の研究開発」

古河電気工業、古河電池「シリサイド・ナノ・ハイブリッド負極材料」