NTN( http://www.ntn.co.jp )は、自動車の電動化に対応した電動アクチュエータユニットを開発し、量産を開始した。
自動車では、(1)より高度な制御を行うことにより運転安全性を高める、(2)部品点数の減少による軽量化や高効率化により燃費向上を図る動きが進んでいる。これらを実現するため、複数のリンクやレバーなどで構成される機械部品による駆動方式や複雑な配管を設置する必要のある油圧から、電動化に変わってきている。
電動モータと一緒に使用される駆動要素としては従来、すべりねじやウォームギヤが採用されたケースがあったが、近年は高い回転・直線運動変換効率を誇るボールねじを採用するケースが増加している。開発した電動アクチュエータユニットは、同社が機械式自動ミッションや連続可変バルブ機構用の電動アクチュエータ用として量産している高効率かつコンパクトなボールねじを採用し、スライド部にはリニアボールベアリングを配置して、高効率、高レスポンスで高出力な性能を有している。
また、本ユニットは耐食性の高い部品を採用し、モータと一体の密閉構造を採用しており、泥水?粉塵といった苛酷環境下での使用においても長期間の高い作動信頼性を確保した設計となっている。NTNでは、車輌各部位の電動化が一層進む中で、ボールねじを使用した高効率の電動アクチュエータユニットが普及・拡大していくと考え、本開発品を広く顧客に提案し、拡販展開していく。
本品の特徴は以下のとおり。
(1)高効率:ボールねじのモータ回転変換効率が90%以上
(2)高レスポンス:作動時間0.3秒以下
(3)高出力:発生軸方向力が最大1200N
(4)高信頼性 : 密閉構造による高防水性、耐食部品採用による高耐食性
用途は、エンジン制御やトランスミッション等の各種電動アクチュエータ。