旭化成、日本除く全世界で補助人工心臓開発・販売

　旭化成（ http://www.asahi-kasei.co.jp ）は、ミスズ・サンメディカルHD（以下、MSDH http://www.mshd.co.jp ）が開発した体内植込み型左心室補助人工心臓「エヴァハート」について、日本を除く全世界で事業展開を進めることに基本合意した。

　MSHDでは、「エヴァハート」の実用化を目的に1991年にサンメディカルを設立し、独自のマイクロメカトロニクス技術を駆使して、産官学共同体制の下「エヴァハート」の研究開発を推進している。このたび、「エヴァハート」の日本国内における本治験を終了し、今後の海外での事業拡大についての検討に入った。

　一方、旭化成では、医療機器事業を高成長追求事業として位置づけ、グループ会社を通じて人工腎臓事業やアフェレシス（血液浄化）事業などを中心に、積極的に事業拡大を図っている。2007年6月には、旭化成内に「先進医療機器センター」を設立し、植込み型医療機器などの先進医療機器事業に取り組んでおり、今後更なる同事業の拡大策の検討を進めていた。

　今回、MSHDが「エヴァハート」の海外展開への協力を依頼したことを契機に、両社で検討を重ねた結果お互いの戦略が一致し、今回の海外展開の協力に関する基本合意に至った。

　基本合意内容は、北米地域において、本年4月1日付で、サンメディカルの100％米国法人であるエヴァハートUSAに対し、旭化成が750,000ドルを出資し合弁会社とする（出資比率：旭化成60％、サンメディカル40％）。エヴァハートUSAは、北米地域における「エヴァハート」の臨床開発・許認可取得・販売を担当する。

　その他の地域については、日本を除いて2009年度を目標として、サンメディカルと旭化成の合弁会社（出資比率：サンメディカル60％、旭化成40％）を設立し、日本、北米を除く全ての地域における「エヴァハート」の臨床開発・許認可取得・販売を担当する。日本国内については、引き続きMSHDが単独で事業を進める。

　米国では、2015年度の販売開始を目指し、今年中の治験開始を計画している。また、米国以外の海外地域に関しては、2011年度からの販売開始を目指す。日本国内を除く全世界で、2015年度に売上高40億円、2020年度には売上高250億円を目標としている。