メインコンテンツに移動
mstkouenkai

 

不二越、切削工具の再研削・再コーティング事業を強化

 不二越( http://www.nachi-fujikoshi.co.jp )は、切削工具(ラウンドツール、精密工具)の再研削・再コーティング、コーティング受託加工、試作、試削りなどを行う100%子会社「ナチツールエンジニアリング」を5月14日に設立する。資本金は2,000万円で、本社は不二越 富山事業所内(富山市不二越本町1-1-1)に、事業拠点は富山テクニカルセンター(同所)、東日本サービスセンター(神奈川県綾瀬市早川2696-15、ナチエンジニアリング内 )に置く。人員は約30名でスタートする。

 近年、資源の有効利用やコスト削減等の観点から、摩耗により精度が保証できなくなった切削工具に対し刃先の再研削・再コーティングを行い、再利用する動きが活発化しており、ラウンドツール(ドリル・エンドミルなど)や精密工具(ブローチ、ホブなど)の分野では、その市場規模は拡大している。高精度・高能率な切削加工の実現、加工条件や工具交換時期の一定化を図るため、再研削・再コーティング品についても新作品同等の品質・性能が求められており、刃先の研削加工技術やコーティング技術など総合的・専門的な技術力や、精度・寿命などの品質確保が必要となっている。このような背景から、切削工具の再研削・再コーティングについて、信頼ある工具メーカーに委託する動きが一段と強まっている。

 不二越では、切削工具のコア技術である材料、コーティング、刃先加工すべてを内製している強みを生かし、精密工具やラウンドツールの製造・販売を事業のベースとし、さらに工作機械とセットにした加工技術に関する提案や、現有の製造技術・ラインを活かした切削工具の再研削・再コーティングサービスを実施するなど、業容の拡大してきたが、このほど切削工具事業の新たな収益基盤の確立を狙い、再研削・再コーティング機能を、新会社「ナチツールエンジニアリング」として独立、拡充する。専用ラインの新設による処理能力の向上とリードタイムの短縮を進めるとともに、専任の営業部隊を拡充するなど体制を強化し、自社製品のサービス拡大に加え他社製品の取り込みを図る。

 再研削・再コーティングを積極的に推進することにより、商品のライフサイクル全体を通して、質の高い商品、きめ細やかな情報・サービスを提供するほか、使用済みの切削工具を調査し、使用条件の適否、商品性能・特性の評価を確認することにより、加工方法や条件の提案、商品開発へ展開する。

 ナチツールエンジニアリングを切削工具の再研削・再コーティング事業の中核拠点と位置づけ、国内各地域で精力的にサービスを展開していくとともに、中国やアメリカ、中南米、タイ、インドなど海外拠点の拡充のためのマザー工場とする。これにより、2012年には、グループ全体の再研削・再コーティング事業の売上を、2008年実績の約10億円から約3倍の30億円に引き上げ、切削工具事業の収益基盤の拡充を目指す計画。