ファナック( http://www.fanuc.co.jp )は、電子機器組立て用途に最適な小型組み立てロボット「」の販売を開始した。電子機器組立て分野のロボット化と、生産性の向上に貢献する。今年度1,000台の販売を見込んでいる。
従来、部品実装や電子機器組立作業には、小型の垂直多関節ロボットやスカラタイプのロボットが使われていた。同品は、機構的に独特な特徴のあるパラレルリンク構造を採用している。パラレルリンク構造では、安全動作領域がメカニカルに制限されているため、従来ロボットでは手間の掛かっていた、安全システムの構築が容易になった。また、パラレルリンク構造によって、俊敏な加減速動作を実現し、機構要素の累積誤差が相殺される機構的な特性で、高精度の位置決めを可能にした。
高速移動動作と単純組立て作業に適した4軸タイプ(手首回転1軸)に加え、複雑な組立て作業に最適な、6軸タイプ(手首複合3軸)の2種類を用意した。
4軸タイプの先端回転軸は、3,000°/secの高速回転動作が可能。掴んだ部品の向きを瞬時に切り替えることで、部品の整列や実装を高速に行う。
6軸タイプは、パラレルリンク構造のロボットしては類のない、3軸手首を持つ6自由度構造を実現している。3軸手首の動きで、把持した部品の向きを自由に傾けることができ、斜めに挿入する、捻りを加えるといった、人間の手の動作と同じ柔軟な動作を行うことができる。携帯電話のように微細で複雑な電子部品から構成される機器の組立てにも柔軟に対応できる。
デスクトップ設置、天吊設置のほかに傾斜角設置も可能な構造になっており、システムに応じた自由な設置形式を選択することができます。また、駆動ユニット部とスタンド部は切り離し可能な構造になっているため、顧客のシステム設備内に直接組み込むこともでき、設置の柔軟性を大きく向上した。
コンパクトにビジョンカメラを組込めるゲンコツロボット・M-1iAの構造と、コントローラに内蔵した内蔵ビジョン (iRVision) 機能によって、ロボットを設置すれば、すぐに知能化機能を使用できる。知能化機能によって、組立作業をロボット化する場合に必要としていた部品位置決め装置を不要とし、シンプルなシステム構成が可能となった。また、ロボット間でお互いの位置情報を交信しあいながら10台までのロボットが協調して動作できるロボットリンク機能を使うことで、傾斜設置された複数台のゲンコツロボット・M-1iAを協調させて、より複雑な作業を行わせることができる。さらに、先端のツールが周辺機器と干渉したような万一の場合でも、ダメージを最小限に抑える衝突検出機能を含め、同社ロボットの全ての知能化機能を利用できる。