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荏原など、工場内未利用温水のプロセス蒸気変換システムを開発

 荏原製作所( http://www.ebara.co.jp )と東京ガス、三浦工業は、工場内で発生する90℃程度の温水を、加熱や殺菌などの生産工程に利用できる160℃程度のプロセス蒸気に変換する「未利用温水のプロセス蒸気化システムの要素技術を確立した。3社は今後、本システムの実証導入を経て、平成22年度の商品化を目指す。

 90℃程度の温水は、冷却工程や燃焼排ガスとの熱交換または蒸気の凝縮など工場内の様々な生産工程から多く発生する。これらを含めた低温の温水は、工場内の生産工程に利用する熱としては温度が低いため利用用途が限られ、未利用のまま廃棄・放熱されている温水は全国で年間33,000TJにも及ぶとされている。

 本システムは、工場内で発生する未利用温水を、加熱や殺菌などの生産工程に幅広く利用できるプロセス蒸気へ変換できる。従来の蒸気ボイラから得られる蒸気量と比べ、約1.5倍の蒸気量を取り出すことができるため、蒸気ボイラの稼動を抑えることができる。これにより、従来に比べ26.5%、年間7.9TJのエネルギー使用量の削減と、434tのCO2排出量の削減を実現する。また、これにあわせてエネルギーコストも削減することができ、商品化では5年以内のコスト回収が可能なシステムを目指す。

 また本システムは、ガスエンジンコージェネレーションシステム(ガスエンジンCGS)のエンジン冷却用温水も蒸気に変換することができ、ガスエンジンCGSの排ガスボイラから得られる蒸気とあわせることで、排熱から得られる蒸気量を増大させることが可能となる。これにより、ガスエンジンCGSの排熱の利用用途を拡大させることができる。

 3社は、これまで東京ガスと荏原製作所が利用技術開発を進めてきた温水の低圧蒸気化技術に、低圧蒸気の昇圧のための技術を加え、本システムを開発する。荏原製作所が温水の低圧蒸気化技術を、三浦工業が低圧蒸気の昇圧技術とシステムの制御技術を、東京ガスがシステム全体の検討や試作機試験を担当する。