日本精工(NSK、 http://www.jp.nsk.com )は、水浸入や過大荷重(過積載、衝撃)など、過酷な市場・道路環境に対応したハブユニット軸受*を開発した。現地鋼材の採用と独自技術により、高品質を確保しながらリーズナブルな価格を実現、同社では本製品で主にBRICs市場において2013年に本製品の売上30億円を目指す。
*ハブユニット軸受:タイヤホイールに取り付ける部品と車体へ取り付ける部品を一体化したユニット軸受
近年のBRICs市場拡大を受けて、各自動車メーカーでは、これらの市場向けに多くの車を投入し始めている。BRICs市場は道路の整備が進んでおらず、特に未舗装路が多いために、ハブユニット軸受は泥水に曝されやすく、雨季の冠水した道路では車の軸受搭載部が水没することも珍しくない。またBRICs地域における車の利用形態も軸受にとっては過酷で、過積載(多人数乗車、大量積載)による過大荷重や道路の凸凹による衝撃荷重が、ハブユニット軸受にとっては負担となる。
一方、リーズナブルな価格を実現するためには、これらの市場で入手できる鋼材(現地鋼材)を使用する必要があるが、現地材は日米欧の鋼材に比べ、品質面に不安が残る。
NSKではリーズナブルな価格設定で過酷環境でも高品質を発揮できる「BRICs市場向けハブユニット軸受」を開発した。本開発品の特長は以下のとおり。
(1)通常の仕様より大きく十分なサイズの軸受を選定することにより、過大荷重に対する耐久性を向上。
(2)高密封シールの適用により耐水性を向上させ、厳しい泥水環境での耐久性を向上。
(3)現地鋼材を使いこなすための成形方法(鍛造方法)により、過酷環境での耐久性とリーズナブルな価格を実現。