トヨタ自動車( http://www.toyota.co.jp )は、優れた安全性能を実現するため、「プリクラッシュセーフティシステム」を進化させ、見通しの良い交差点での斜め前方からの出合い頭衝突に対応する「前側方プリクラッシュセーフティシステム」と、前方・後方からの衝突に備え、リクライニングしているシートを引き起こす「プリクラッシュシートバック」を世界で初めて開発した。今回発表の技術は、近々発売予定の新型車に採用する。新安全技術の特長は以下のとおり。
1.前側方プリクラッシュセーフティシステム(ミリ波レーダー方式):死亡・重傷事故のうち最も高い割合を占める事故形態が出合い頭であることと、乗員の死亡率が最も高い事故形態が正面衝突であるという実態を踏まえ、見通しの良い交差点での出合い頭衝突、対向車がセンターラインをはみ出してきた場合の衝突にも対応できるよう、検知範囲を拡大、前側方ミリ波レーダーを用いて斜め前方から接近する車両を検知し、衝突の可能性が高いと判断した場合、衝突被害を軽減するため以下の機能を作動させる。
(1)衝突警報:ブザーとメーター表示により衝突の可能性をドライバーに知らせ、ブレーキ・ハンドル操作による回避を支援。
(2)プリクラッシュブレーキアシスト:ブレーキペダルの踏み込みに応じて早期に制動力を補助し、衝突速度を低減。
(3)プリクラッシュシートベルト:シートベルトをモーターで巻き取り、より早く乗員を拘束することにより、衝突時の乗員保護性能を向上。
(4)側突エアバッグ制御:車両側方に衝突される可能性が非常に高いと判断された場合、側突対応のエアバッグ(SRSサイドエアバッグ、SRSカーテンシールドエアバッグなど)の作動を準備。
これらの一連の機能により、従来のプリクラッシュセーフティシステムに加えて、より幅広い事故形態に対応することができ、衝突被害の軽減に一層の寄与が見込まれる。
2.プリクラッシュシートバック:前方と後方対応のミリ波レーダーにより障害物と車両との接近を検知、衝突の可能性が高いと判断した場合、リクライニングしている後席のシートを起こし、シートベルトやエアバッグの性能を最大限に発揮できる位置とすることで、乗員の姿勢を適正に保ち傷害の軽減に寄与する。
なお、後方の車両から追突される可能性が高いと判断した場合は、「プリクラッシュシートバック」と併せて「プリクラッシュインテリジェントヘッドレスト」も作動させることで、ヘッドレストを適切な位置に移動させ、むち打ち傷害の軽減に寄与する。