日本自動車工業会( http://www.jama.or.jp )の青木 哲会長は2月19日に記者会見を実施、米国自動車産業の動向やハイブリッド車の普及、鉄鋼種類の削減、東京モーターショー開催などについて以下のとおり言及した。
米国自動車産業の動向については、「米国経済にとって自動車産業は大変重要な産業。今回要請されている救済支援の内容は巨額かとは思うが、是非米国自動車産業の健全化につなげてほしい」と語り、さらに国内、米国それぞれの市場について、「国内市場は09暦年486万台と見通しを立てているが、1年間全体としては前年比-5%弱ぐらいに収まるのではないか。政府には、低炭素車に対する自動車取得税・自動車重量税の減免措置を早期に実現していただき、顧客が販売店に足を運んでいただくことがクルマの販売につながっていくことになる。米国市場は昨年は1,300万台強だったが、今年は1,200万台を少し切るのではないかと懸念している。オバマ新政権のいろいろな経済対策が効果を発揮するよう期待したい」と述べた。
またハイブリッド車について、「環境面やエネルギーの確保に配慮したクルマづくりは、各社のトップ・プライオリティに位置づけられていると思う。ハイブリッド車の競争力やメリットはかなり評価されるべきであり、大幅なコストダウンが実現すると、より普及に結びついていくのではないか」と低コスト化へのさらなる取り組みを求めた。
今秋開催予定の第41回東京モーターショー2009については、「予定通り開催する。ショーの中身については、経営環境が変化している中で検討しているところであり、3月の会見時に発表する予定。各社のコンセプトカーやいろいろな技術を世界に向けて発信していく場で、大変厳しい環境ではあるが、こういう時期だからこそしっかりとやっていきたい」として、開催中試論を打ち消した。
そのほか鉄鋼連盟との間で、(1)19鋼種を将来的に削減するとする鋼種削減、(2)小ロットの集約・削減、(3)納期確定時期の早期化と内示情報の精度向上といった、「競争力向上に向けた合理化検討」を進めていることを発表、「こうした取り組みにより、自動車メーカーには量や品質の安定化、コスト低減、鉄鋼メーカーには生産性向上、在庫やコスト低減が期待される」とした。