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日産、グローバル危機に対応する業績改善策を発表、ゼロエミ車投入は継続

 日産自動車( http://www.nissan-global.com )は9日、グローバル経済・金融危機を受けた新たな業績改善策を発表した。経営課題に対応し、将来の方向性を見据えた組織変更も併せて行う。主な対策は次のとおり。

(1)業務改善に注力するため、2008年から2012年までの経営計画である日産GT 2012を一時中断する。ただし、品質とゼロ・エミッション車に関わるコミットメントは継続する。

(2)一部の新車プロジェクトの中止を含め商品投入計画を見直す。2009年から2012年の間には、新規のAプラットフォームを採用したエントリー・カーのラインアップと電気自動車を含め、平均で毎年10車種の新型車を発売する。

(3)2008年度の設備投資を前年度から21%節減する。2009年度には更に14%圧縮し、2008年度の3,840億円から2009年度には3,300億円以下に抑える。

(4)在庫管理を強化する。2009年3月のメーカー在庫及びディーラー在庫は2008年3月の63万台から20%減の48万台になる見通し。

(5)グローバル人員数を2009年度中に20,000人削減し、23万5,000人から21万5,000人とする。

(6)ルノー・日産アライアンスの更なるシナジー効果創出を目指し、商品・技術への投資、サポート機能、購買コスト削減を中心に詳細を検討する。2009年度にはルノーと日産はそれぞれ最低900億円(7億5,000万ユーロ)のフリーキャッシュフロー確保に貢献する。

 また、地域軸と機能軸のマネジメント強化を目的に、2月9日付で役員体制を以下のとおり変更する。

(1)最高執行責任者の志賀俊之は、新たに3つに構成される地域全体と、渉外、生産、研究・開発、購買、商品企画、デザイン、販売・マーケティングを統括する。同氏は引き続き社長のカルロス・ゴーンの直轄となる。

(2)常務執行役員のコリンドッジは新たにチーフ・リカバリー・オフィサーに就任し、社長のゴーンの直轄となる。同氏は実行する全社的な改善活動を指揮することに加え、経営企画とグローバル・コントロールを担当する。また、同氏は新設のアフリカ・中東・インド・欧州をまたぐ地域を統括する。

(3)副社長の西川廣人はこれまでの購買に加え、関係会社管理を担当し、新設の日本・中国・アジア太平洋市場をまたぐ地域を統括する。

(4)副社長のカルロス タバレスは新設の北米・中南米をまたぐ地域を統括する。

(5)執行役員のアンディ パーマーは常務執行役員に昇格し、商品企画、インフィニティ事業部、小型商用車(LCV)事業部、新設の電気自動車事業部を統括する。同氏は新たにエグゼクティブ・コミッティのメンバーに加わる。

 カルロス・ゴーン社長は「今回の組織変更によって、このグローバル危機を乗り越えるだけでなく、事態の収拾に備えて急速な力強い成長を果たす態勢を整える。組織は変化し続ける経営ニーズに柔軟に応えなくてはならないが、日産には将来を担うに十分な人財、多様性、そして経験があると信じている」と述べている。