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川重、小水力発電システムの製造・販売事業開始

 川崎重工( http://www.khi.co.jp )グループのカワサキプラントシステムズは、川崎重工と共同開発した小水力発電システム(製品名:リング水車、型式:インライン型プロペラ水車)の製造・販売事業を開始する。

 小水力発電とは、これまで未利用だった水力エネルギーを使って小規模な発電を行うもので、CO2排出量が少なく、発電量の変動も小さい、安定した自然エネルギー(新エネルギー)発電システム。

 本リング水車では、従来のシステムに比べ大幅な小型化と低騒音化を実現。また、今回の事業開始に先立ち、兵庫県内の多目的ダムで実証試験を行っており、所期の目標を満たす性能を確認している。主な特徴は以下のとおり。

(1)コンパクト設計:永久磁石を水車(ランナ)に埋め込むことで、水車と発電機を一体構造とし、従来のインライン型水車に比べて半分以下のサイズを実現した(特許出願中)。これまで小水力発電の導入が難しかった既設の狭い配管スペースにも設置が可能で、据付工事も簡単。

(2)低騒音・低振動:水潤滑軸受の採用により固体接触が生じないため、騒音や振動がほとんど発生しない。そのため、住宅が近い場所に導入する場合でも、特別な騒音対策が不要。また、減圧弁・流量調整弁の代わりに当社のリング水車を導入すれば、発電エネルギー回収と同時に、周辺環境への騒音を大幅に低減することができる。

(3)オイルレス:発電用水流の圧力だけで水車の回転を支える水潤滑軸受を採用しているため、オイルを全く使用せず、水質に影響を与えない(特許出願中)。

(4)メンテナンス・フリー:オイル補充やベルト交換などの日常メンテナンスが不要。

 20kWから50kWまでのラインアップを揃えており、同社では今後、本システムを浄水場、河川維持放流・利水放流を行っているダム、工場・プラント向けに販売することで、これまで未利用だったエネルギーを電力として回収するだけでなく、CO2排出削減にも大いに貢献できると考えている。

 小水力発電導入にあたっては、NEDOなどによる費用補助制度や、小水力発電の売電価格に環境価値を上乗せできるRPS(Renewable Portfolio Standard)法を適用することができるなど、国の方針としても普及が後押しされている。