経済産業省は、11月に公表された「今年のロボット」大賞2008優秀賞」の8件の中から、「今年のロボット」大賞、最優秀中小・ベンチャー企業賞、日本機械工業連合会会長賞、中小企業基盤整備機構理事長賞および審査委員特別賞を選出した。
大賞(経済産業大臣賞)に輝いたのは、タカラトミーの「Omnibot17μ i-sobot(オムニボットワンセブンミュー アイソボット)」。“世界で最も小さい量産されている人型2足歩行ロボット”として2007年6月にギネス世界記録に認定された玩具ロボット。2万9800円(税別)という低価格で実用化したことが評価された。
最優秀中小・ベンチャー企業賞(中小企業庁長官賞)を受賞したのは、西澤電機計器製作所の自動ページめくり器「ブックタイム」。文庫本サイズからA4判まで本のページをめくることができるロボットで、手が不自由な人の読書を支援する。ページめくりの指示は、本体のボタンを押下するほかに、呼吸でスイッチを押す「呼吸気スイッチ」や、足などで押しやすい「ビッグ押しボタンスイッチ」などを利用できる。本のセッティングも簡単で、介助者の負担を軽減する。
審査委員特別賞は、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センターの田植えロボットが受賞した。GPSと姿勢計測装置を搭載し、あらかじめ水田の形状をGPS計測して設計した作業経路に沿って、無人で田植えを行う。
そのほかに優秀賞を受賞したロボットは次のとおり。
・ロボットを活用したエンジニア育成ソリューションZMP e-novoシリーズ(ゼットエムピー)
・組込型ロボットXR-Gシリーズ(デンソーウェーブ)
・第10世代液晶ガラス基板搬送ロボットMOTOMAN-CDL3000D(安川電機)
・能動スコープカメラ(東北大学、国際レスキューシステム研究機構)
・超小型MEMS3軸触覚センサーチップ(東京大学、パナソニック)
同賞は、ロボット産業が世界をリードする新産業の一つに成長するため、ロボットの実用化に必要な技術開発や安全性確保の取り組みとして進められている。その一環として、経産省と共催機関が協力し、民間の研究開発とロボット技術の活用を促進し、市場創出を推進するための表彰制度である。