川崎重工( http://www.khi.co.jp )は、英ロールス・ロイス社と、最新鋭旅客機用エンジン「TRENT XWB」の開発・生産に「リスク & レベニュー シェアリング パートナー(RRSP)」方式で参画することで正式に契約を締結しました。「TRENT XWB」は、仏エアバス社が開発中の新型旅客機「A350」(250?350席クラスの中型機)への搭載が決定している唯一のエンジン。
川崎重工は、最新鋭旅客機用エンジン「TRENT XWB」の開発・生産プログラムで、中圧圧縮機(IPC)モジュールの設計・製造・組立を担当する。IPCモジュールは、エンジンを構成する8個の主要モジュールの一つであり、直径約1.5m×長さ約1.5m、部品数約4,000点のモジュール。同モジュール全体の設計・製造・組立を当社が担当するのは、「TRENT1000」に続く2機種目となる。
今回の開発・生産プログラムで同社は約7%のプログラムシェアで参画、すでにロールス・ロイスへ技術者を先行して派遣し、共同でモジュールの開発作業を進めている。
「TRENT XWB」は、ロールス・ロイスが開発中の推力74,000?92,000ポンドのエンジンで、すでに開発・生産している5機種の「TRENTシリーズ」の最新モデルとして位置付けられる。同シリーズはこれまで、約2,500台の受注実績を持つ同社の旅客機用主力エンジン。
川崎重工とロールス・ロイスは、1959年に航空機用エンジン「オリフュース」のオーバーホールに関する技術提携契約を締結して以来、防需航空機用エンジン、旅客機用エンジン、舶用ガスタービンエンジンなどの幅広い分野で協力関係を持つ。
特に、旅客機用エンジンの分野では、ロールス・ロイスの「RB211」(B747/B767用)、「TRENT700」(A330用)、「TRENT800」(B777用)、「TRENT500」(A340-500/600用)、「TRENT1000」(B787用)などの開発・生産プログラムに川崎重工が参画しているほか、「V2500」(A320シリーズ用)の国際共同開発・生産事業についても両社で参画している。
同社では、「今回のTRENT XWBの開発・生産への参画は、ロールス・ロイス社との半世紀にわたる良好な関係と、我々の航空機用エンジンの開発・生産・整備などに関する高い技術力と豊富な経験が評価されたもの」としている。