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日産自動車、大規模実証実験「ITS-Safety 2010」に参加

 日産自動車( http://www.nissan-global.co.jp )は7日、交通事故低減を目的としたインフラ協調による安全運転支援システムを開発し、官民合同組織「ITS推進協議会」が実施する大規模公道実証実験「ITS-Safety 2010」に参加する。同実証実験は、東京都の臨海副都心地区で1月12日から順次実施、2月25日からは報道と一般向けに公道実走行公開デモンストレーションが予定されている。

 同社はITS(高度道路交通システム)を活用した安全運転支援システムやASV(先進安全自動車)などを開発、これら技術を搭載した実験車両4台をこの実証実験のために提供することにより、実用化に向けた効果的なサービスやシステムのあり方について大規模な検証を行うとともに、事故低減への効果について定量的な評価を行う。同社では2006年から神奈川で、「SKY(スカイ)プロジェクト」の一環として光ビーコンを活用したインフラ協調による安全運転支援システムを開発、一般市民約2000名が参加する大規模な実証実験を進めていた。その成果を用いた同社のシステムが、2010年度の実用化に向け現実的なシステムとして、「ITS-Safety 2010」の大規模実証実験に採用された。

日産DSSS 安全運転支援システム(DSSS) への取組みではたとえば、出合い頭衝突防止支援システムは、見通しの悪い信号非設置交差点の優先道路を走行するドライバーに対して、脇道車両の存在を光ビーコンによる路車間通信で情報を伝達し、ナビゲーションシステムで報知し、注意すべき車両の存在を認知させ、時間的な余裕を持たせることで、安全運転を促すもの。

 先進安全自動車(ASV)への取組みとしては、車車間通信により認識した他車両と、衝突の可能性がある場合に、音声とナビゲーション画面内のアイコンでドライバーへ知らせ、安全運転を促すもの。交差点での出合い頭や右折時においては、車両が一旦停止してから再発進しようとした際に、ドライバーが危険対象となる他車両を見落とす可能性について、注意喚起を行う。

 スマートウエイへの取組みではたとえば、前方障害物情報提供サービスは、急カーブ、トンネル部、登り坂の頂上付近など、前方の見通しが悪く、状況が把握しにくい道路部位で、路側センサーにより渋滞末尾、停止・低速車を検出し、後続の車両に路車間通信で情報を伝達し、ナビゲーションシステムがドライバーに情報提供を行うことで、事前に注意力を高め、減速や車間距離を確保することを促す。

 日産は、これらクルマ対クルマの交通事故低減のほか、クルマと歩行者との交通事故低減も目的とし、歩行者が所持する携帯電話と車両の間での通信を活用した携帯電話協調歩行者事故低減システム等の開発も行っている。同社は今後も「クルマが人を守る」という「セーフティ・シールド」という考え方に基づき、「ぶつからないクルマ」づくりを積極的に推進し、得られる知見を総合的に活用し、あらゆる機会を捉えて安全技術の発展を進めていく。