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経産省と国交省、低燃費タイヤ等普及促進協議会を設置

 経済産業省( http://www.meti.go.jp )と国土交通省( http://www.mlit.go.jp )は、運輸部門のエネルギー消費効率を向上させるため、自動車で使用されているタイヤについて、関係団体も含めた「低燃費タイヤ等普及促進協議会」を設置した。今後のタイヤに関する省エネ対策として、2008年度中にその方向性を取りまとめる。具体的には、転がり抵抗の測定方法の規格化、低燃費タイヤの情報提供の方法等について検討、第1回を2009年1月中に開催する。

 わが国における運輸部門からのエネルギー消費量は、最近減少傾向に転じているものの、全体の約2割を占めているとともに、1990年度比で約17%増加している。これまで、トップランナー基準による自動車単体対策、低公害車の開発・普及や交通流対策、公共交通機関の利用促進等を実施してきているものの、運輸部門対策の重要性に鑑みると、さらなる省エネ対策が必要とされている。

 国際エネルギー機関のレポート(Fuel Efficient Road Vehicle Non-engine Components(2007年10月))によれば、自動車の燃料燃焼により発生するエネルギーの約20%がタイヤの転がり抵抗によって消費されており、その点でタイヤは、自動車の燃料消費に影響を及ぼす機器のひとつであるとされている。また、自動車が転がり抵抗の小さい低燃費タイヤを装着し、適切な空気圧で走行することにより、自動車部門全体での燃料消費が3?5%削減可能とする試算もあり、現在一部の新車で自動車の燃費基準達成に向けた燃費性能改善策の一環として自動車メーカーが低燃費タイヤを選択したり、またタイヤメーカーが独自の低燃費タイヤの生産・販売を行う等の取組みがなされている。

 他方で、低燃費タイヤに関する統一的な評価方法や基準については国際標準化の作業が進行中で、省エネ性能に関する統一的な基準での情報提供などが行われていないため、タイヤを購入する際に、省エネの観点から客観的に選択出来ないのが現状で、評価方法の国際標準化については、国と製造事業者が積極的に参加している状況。

 こうした現状を踏まえ経済産業省と国土交通省では、運輸部門のエネルギー消費効率を向上させるために、低燃費タイヤの普及促進を図ることを目的とした有識者、消費者代表や関係団体などによる「低燃費タイヤ等普及促進協議会」を設置、2008年度中に3回程度開催し、具体的な実施項目等を含めた今後の取組みについて取りまとめることを決めた。

 具体的な検討内容としては以下の通りとし、2009年1月中に第1回目の協議会を開催する。

(1)転がり抵抗の試験方法の規格化について
タイヤの転がり抵抗の試験方法について、国際的な検討状況を勘案しつつ、国内規格策定

(2)低燃費タイヤの情報提供等の方法について
ドライバーが低燃費タイヤを選定するために必要な「転がり抵抗」に関する情報提供等のあり方

(3)タイヤの空気圧管理について
タイヤ空気圧モニタリングシステム(TPMS)の装着による効果の検証や空気圧管理のユーザーへの啓発など、タイヤの適正な空気圧の管理のあり方