川重、中国向けに非常用ガスタービン発電装置を受注

　川崎重工（ http://www.khi.co.jp ）は、南京荷飛ハイテク実業（中国）から、自社開発のガスタービン「M1T-23型」を用いた非常用ガスタービン発電装置を、中国最大の移動体通信事業者である中国移動通信向けに受注した。

　今回受注した発電装置は、中国移動通信のインターネットデータセンター（IDC）向けバックアップ電源用の非常用ガスタービン発電装置「GPS4000」2基（1基当たりの発電出力は3,200kW）で、上海市内に設置される。中国では移動体通信向けデータが急増しており、サーバーの大容量化に伴い、高出力タイプの非常用発電装置が求められている。今回受注した装置は、その一環として主に停電時の非常用電源の能力増強を図るため新たに導入されるもの。川重の契約範囲はガスタービン発電装置、制御盤などの供給で、2009年3月に納入する予定。

　中国移動通信は2000年4月に中国郵電電信総局から分離独立された国有企業です。中国全体の移動体通信ユーザー数が約6.2億人である中、中国移動通信は約4億人のユーザーを有する中国最大の移動体通信事業者であり、世界でも最大規模を誇る。

　今回の受注は、非常用としてのカワサキガスタービンの優れた性能はもとより、川重グループの高い技術力に加えて、日本国内外で最先端のデータセンターに納入した豊富な経験が高く評価されたもの。

　川重の非常用ガスタービン発電設備は、1976年に初号機を納入したのを皮切りに、約30年間で累計約7,000台の納入実績を持つ。非常用ガスタービン発電設備は、通信関係やデータセンターなど重要設備や上下水道など公共設備の予備電源、病院や庁舎の防災用など、多岐にわたって利用されており、ガスタービンの有する起動信頼性の高さや冷却水が不要なこと、クリーンな排気ガスなどの特長から広く普及してきている。また、日常生活におけるITの普及に伴い、近年頻発している地震・台風などの災害時に停電を回避する必要性から、非常・防災用発電設備の重要性が再認識され、ニーズが高まってきている。

　川重では今回の受注を機に、今後拡大が期待される中国をはじめとする極東アジア市場におけるガスタービン発電設備の拡販に注力していく。また、日本を含む極東アジアほか、米州、欧州、東南・南西アジアでも現地販売拠点を活用し、世界4極体制により事業を積極的に展開していく予定。