NTN(Tel.03-5487-2815、 http://www.ntn.co.jp )は、薄板製造設備のテンションレベラを対象に、同社従来品に対し40%のトルク低減を実現した「超低トルクバックアップロールユニット」を開発した。
テンションレベラは、鋼板に曲げと引張の力を加えることにより塑性伸びを生じさせて、鋼板のそりや歪みを矯正する装置。バックアップロールユニットは、ワークロールユニットあるいは中間ロールユニットとの接触による摩擦力により回転しているため、回転トルクが大きい場合にはスリップが発生し、鋼板品質(微小なうねり)に影響を及ぼす。近年、さらなる品質安定化とともに環境負荷低減のため省エネルギー化の要求があり、バックアップロールユニットの回転トルクの低減が望まれていた。
本開発品は、低トルク化と長期間にわたる信頼性の確保を目的に、ロバスト性を考慮した品質工学と解析技術を駆使、構成部品である軸受の内部諸元や潤滑仕様の最適化を進めると共に、グリース漏れに対する密封機能の信頼性向上のため、ラビリンス構造を強化した新規シール構造を採用、同社従来品に対し回転トルクを40%低減、軸受の温度上昇を20%低下した。
これによりラインスピード(鋼板の送り速度)が従来と同一であれば環境負荷低減に繋がるほか、ラインのスピードアップに展開すれば生産性向上に貢献できる。