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NSK、寿命10倍の化学フィルム搬送用軸受を開発

 日本精工(NSK、Tel.03-3779-7050、 http://www.jp.nsk.com )は、化学フィルム搬送用として、腐食環境での長寿命化を実現した「調心輪付き高耐食長寿命軸受」を開発した。

 液晶TVをはじめとする薄型TVの画面は、何層もの各種化学フィルムで構成されている。水、アルカリ、酸等の腐食環境で使用される化学フィルム製造設備用軸受には、メンテナンス期間延長のため、長寿命化が求められているほか、薄型テレビの大型化に伴い、化学フィルム搬送ローラが大型(長尺)化しており、ローラたわみを許容し、またローラ交換を簡素化する要望も高まっている。

 NSKではこのほど、調心輪を最適設計し、高硬度高耐食ステンレス鋼の内外輪とセラミック球を組み合わせることで、従来比約10倍の長寿命を実現、本製品により2010年度に年間5億円の売上を目指す。

 本製品では、従来品のステンレス鋼(SUS630)と比べ約1.5倍の硬度を持つ高硬度・高耐食ステンレス鋼(開発鋼)と、耐摩耗性が高いセラミック球を採用することで、従来比約10倍の寿命を可能にしたほか、調心輪のはめあい形状、表面あらさ、クリアランスなどの最適設計により、軸とハウジングに傾きが発生する構造でもスムーズな調心性能を発揮する。

 また、内・外輪に高硬度・高耐食ステンレス鋼を採用、酸、アルカリ環境下でも、従来品のSUS630と同等の耐食性を持つ。

 さらに軸受の長寿命化により、製造のためのエネルギー使用量や鋼材使用量を減らすことができる。