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日精樹脂工業、低床化を実現したハイブリッド式竪型射出成形機に大型タイプをラインナップ

 日精樹脂工業は、業界トップクラスの低床化を実現したハイブリッド式竪型射出成形機「TWX-RⅢ」型に、新たに型締力2942kN(300t)の大型クラス「TWX300RⅢ36V」を追加、受注を開始している。

ハイブリッド式竪型射出成形機「TWX300RⅢ36V」:型締力2942kN(300t)タイプ
ハイブリッド式竪型射出成形機「TWX300RⅢ36V」

 

 TWXシリーズは、自動車や電子部品など幅広い分野におけるインサート成形向けで業界トップクラスの販売実績を誇るハイブリッド式竪型成形機。中・大型クラスをカバーする新シリーズで、新複合式型締機構を搭載し、機械全体の低床化を図った。今回開発した「TWX300RⅢ36V」の市場投入により、すでに2019年4月に受注を開始した同2110kN(220t)タイプの「TWX220RⅢ25V」と併せて2機種のラインナップとなった。

 本シリーズの最大の特徴は、機構のコンパクト化を図るため、これまで高速型締から高圧型締まで一つの型締シリンダで行っていた型締動作を、早送りシリンダと高圧型締シリンダ、ハーフナット機構からなる複合型締機構によって行う点で、これにより2110kNタイプで見ると、金型取付け面高さを従来機比で約30%低床化、シリーズ統一の1000mmとし、金型取付けなどの段取替え作業やワークインサート・製品取出しの作業性が大幅に向上しているほか、自動化の取回しやメンテナンスも容易になっている。

 さらに、機械全体の高さも従来機比で約10%低くしており、成形工場の設置スペース(高さ方向)の融通性が向上するとともに、工場新設の場合、天井高さを抑えられることから設備コストを下げることができる。

 そのほか、以下のような特徴を持つ。

① 均一な型締力を伝達できる直圧式型締機構を搭載。温度変化の影響を受けにくく常に設定値どおりの安定した型締力を伝達できるほか、金型に優しい適正(低)型締力設定が容易で、シンプル・クリーンな機構は長期にわたり機械精度を維持。型閉中の異物検知のための低圧金型保護性能も優れており、インサートワークずれ等による金型の破損を防止する

②新複合型締機構により、作動油量を従来機よりも52%削減しており、省資源、コスト削減につながる

③ベッド構造の最適化により自動機のフレキシブルなレイアウトが可能で、取出機や多関節・双腕ロボットなど、個々の成形品や成形工程に適した自動化システムに柔軟に対応できる。また、金型取付け面の3ステージ化も容易に対応可能な設計としており、多様な生産形態に適応する

④3本タイバーシャフトによるワイドなターンテーブル、ワイドなデイライト仕様としており、成形品の大型化(EV・HEV用自動車部品におけるモジュール化等)や取数の拡大に対応する

⑤回転盤やエジェクタ動作はサーボモータ駆動とし、サイクル短縮を図るとともに、スムーズな機械動作と回転停止精度を実現、これによりインサート成形時のワークのズレなどを防止できる