ジェイテクトが生産する歯車式LSD(リミテッドスリップデフ)TORSEN(トルセン) Type-Bの新設計品が、本年3月22日に発売予定のルノー「メガーヌ R.S. カップ」に搭載される。同駆動製品技術によって車両の旋回性と安全性の向上につながることが評価されたもの。
製品イメージ
搭載車両「メガーヌ R.S. カップ」
トルセンとは、自動車の旋回時に左右輪もしくは前後輪のトルクを最適配分する駆動装置LSDの一種で、ヘリカルギヤを用いて差動制限を行うLSDとして高いトルク配分性能と高耐久性を誇る、ジェイテクトの独自製品の一つ。
現在では主に四輪駆動車に搭載され、前後輪のトルク配分を行うTORSEN Type-Cとスポーツタイプの後輪駆動車をはじめ前輪駆動車にも搭載され主に左右輪のトルク配分を行うTORSEN Type-Bを、日本、ベルギー、アメリカで生産している。
従前のTORSEN Type-Bにはサイドギヤを分割し、結合部にヘリカルスプラインを採用して左右輪のトルク配分比を高め、トラクション性や走行時のフィーリングを向上する高性能な仕様の製品があるが、今回、「メガーヌ R.S. カップ」に搭載が決まった新設計品は、さらにヘリカルスプラインをワンウェイ構造とすることで、アクセルオンの時は差動制御が大きく機能しトルク配分比を大きく高める一方で、アクセルオフでは差動制御の効きを抑えることを実現、搭載車両の特徴に則した最適なトルク配分とドライバビリティの向上を実現した。
製品の構造
日本と欧州と共同で設計し、ベルギーの生産拠点(JTEKT TORSEN EUROPE)で生産する。
新設計品の特長は以下のとおり。
・ヘリカルギヤを使い低いトルク分配性能にも対応出来るトルセンLSD
・オープンデフにはできない瞬時に路面に応じたトルク分配が可能
・トルセン本来の応答性の良さを生かしながら、フロントデフからリヤデフまで幅広く適応可能な性能を持ち、様々な用途に対応するマルチパーパスモデル