第78回『重力ピエロ』
第78回『重力ピエロ』in
本作は、杜の都・仙台を舞台にした、伊坂幸太郎原作、森 淳一監督による透明感あるミステリーである。
遺伝子を研究する大学院生・泉水(加瀬亮)と芸術肌の弟・春(岡田将生)は、母(鈴木京香)の命日に、市役所勤めを終え庭で養蜂にいそしむ父(小日向文世)を訪ねる。その日、泉水は、とある壁に描かれた謎めいたウォールペインティングを消している春を見かけ、連れだったのだ。美的感覚が許さないという春は、仙台の町のあちこちに出現しているそのウォールペインティングを消して回っているという。後日、そのペインティングのそばで連続放火事件が発生していることに気づいた春は、泉に事件の謎解き、犯人捜しを持ちかける。それと期を同じくして、春の出生に関わる男が町に戻ってくる…。

張り巡らされた数々の伏線、絡み合った謎が解けたとき、仲のよい親子、兄弟の家族の愛は重力を超えるのか。ベストセラーながら映像化が難しいとされた、悲しくて優しい物語が、スリリングな展開でつづられていく。