第42回 優れたメカによる省エネ家電の選定・購入を!
第42回 優れたメカによる省エネ家電の選定・購入を!5月15日から、省エネ家電の「エコポイントの活用によるグリーン家電普及促進事業」(エコポイント制度)が始まった。今回のエコポイント制度は、地球温暖化防止、経済の活性化、地上デジタル放送対応のテレビの普及を目的として、省エネ性能の高いエアコン、冷蔵庫、テレビの購入者が購入額の一部をポイント数として受け取り、次の買い物のときにポイント分を値引きしてもらえる仕組み。
家庭部門のCO2排出量のうち、約7割弱が電化製品によるものとなっており、約5割がエアコン、冷蔵庫、テレビで占められている。また、エネルギー効率の低い旧型品を省エネ型製品に買い換えることで、適正にリサイクルがなされれば、より高い環境保全効果が期待できる。こうした観点から、優れた省エネ性能を客観的に判別でき、かつ、家電リサイクル法において買い替えの際にリサイクルすることが定められた電化製品を対象とすることが適当であり、省エネ性能を5つの星で表した「省エネ統一ラベル」で4つ星相当以上のエアコン、冷蔵庫、テレビをエコポイントの対象とすることとしたもの(省エネルギーセンターの省エネ製品情報( http://www.eccj.or.jp/labeling_program/ )を参照)。エアコンは出力数、冷蔵庫は容量、テレビは画面のサイズによってポイント数が異なり、最大(46V以上)で3万6,000円分のポイントが付与される。ポイント交換は8月からになる見通し。
家庭内消費エネルギーの約25%とトップを占めるエアコンの省エネ技術を見てみよう。
たとえばルームエアコンで省エネ大賞通算8回目の受賞となった東芝の「大清快」PDRシリーズは、省エネ性能向上のため、全損失の約60%を占める部品間のしゅう動損失と漏れ損失の低減に取り組んだ。
ロータリーコンプレッサーの圧縮機構部はベーンによって仕切られたシリンダー内をローラーが回転することで吸い込みと圧縮を繰り返しており、部品間のしゅう動部で損失が発生している。そこでこの損失改善と漏れ損失改善のため、薄型シリンダーを採用するとともに、上下のシリンダーで独立に2本あった吸い込み管を1本化し、内部の仕切り板で分岐させるという方式「1サクション方式ツインロータリーコンプレッサー」を採用した。この方式により吸い込み抵抗を増大させずにシリンダーの薄型化に成功、2007年度搭載コンプレッサーに対し約2.8%の効率改善を達成した。
これらの改良で、冷房と暖房をそれぞれ3.6ヵ月、5.5ヵ月使用したと仮定して算出される期間消費電力量は、10年前の「大清快」から約34%低減された。通年エネルギー効率(APF。1年間、1kW当たりの冷房・暖房能力)は6.2ポイントとなり、同社ではこれを業界トップの数値としている。削減された電力量をCO2排出量に換算すると、1台で杉16本が吸収する量に相当するという。
省エネ化により地球環境保全に貢献するエコ家電。優れたメカにより消費電力低減、CO2排出抑制にも貢献する本物のエコ家電を見極めつつ、地球環境保全と消費拡大に貢献していきたいものである。